2016年10月19日水曜日

民主主義の限界が見えてきた

ここ2~3年で殆どテレビ番組を観なくなってまして。
年々と世間から感覚がズレてきてるんだ、と自覚するようにしています。
なのでこのブログで書かれている事は「世間一般の皆様と感覚がズレている」と先に断っておきますのでご了承くださいますようお願いします。

もう一度話を戻すと、テレビ番組は観ないのですが、ニュースは観ます。
いわゆるニュースだけです。
報道番組(民放で放送されてる?)とか、タレントが出演して報道を読み上げたりコメンテーターっぽいことをするやつも観ません。タレントの意見とか聞きたくないからです。


淡々と次から次へと「あった出来事だけを伝えていく」ような報道放送しか観てません。
そんな偏ったソースしか持たないボクでもアメリカの「大統領選挙の報道」は観ますし、知ってます。
あれはほぼバラエティ番組の域に到達してる気がしますね、ひどいもんやわ。
最近ではR18ぐらいに指定されるんじゃない?レベルの舌戦ですからね。
思い返せば、、、トランプさんはよく知りませんでしたがヒラリークリントン女史は、この前の大統領選の時に現大統領のオバマさんと一騎打ちで選挙を戦ったはず。
(同じ政党での指名候補の争いでしたが)
あのときのヒラリークリントン女史は今のように低レベルな討論会をしてたかなぁ?
詳細は記憶にないんだけど、少なくとも今のレベルの討論を繰り広げていたという記憶はないな。
ってことはヒラリークリントン女史は相手のトランプさんのレベルに降りてきて?相手の土俵で相撲をとっている、とらされている?わけでして。
戦術的には「なんて愚かなんだろう?」としか思えないな。

アメリカは病んでいるのか?なんて論調もテレビから聞こえてきますけど。
ボクは逆だと思っています。
余裕やね」って感じてます。
つまり、次の大統領は「誰がやってもいいよ」ってぐらいアメリカは今は余裕。
そんな雰囲気がにじみ出ている選挙ですね。
中国の猛烈なパワーも一段落、うるさかったEU連合も落ち目、ISISのようなテロリストたちもちょっと落ち目、ロシアも安定的にお金ないし。
ほぼ地球上では「無敵のアメリカン」状態ですから。(今はね)
リーマンショックも概ね片付いてるし。
長距離トラックの運転手でも「プール付き庭付き一戸建て」が買える国民なんて地球上でアメリカンしか居ませんから。(ローン地獄のようですが)

トランプさんの選挙でのモットーが「強いアメリカを取り戻す」というスローガン的なやつですが。
ボクから観れば今でも十分強いやん!ってなもんです。
巨像に群がるアリンコの攻撃に痛い痛いって苦しんでるのが今のアメリカで。
殺虫剤でも撒いたらアリンコなんて死ぬやろ?って思うんですけどね。
そんな大きな壁なんか築かなくても。

しかし、今の世界はそんな雰囲気ではありません。
みんながみんな「自分さえよければいいよ」的な考えに終始し。
オレイズナンバーワン」な発言を聞くと「おお!オレもナンバーワン!」と勘違いしてしまう。
その「ナンバーワン」に酔いしれてるわけですね。
合法であれ非合法であれ人間の往来を規制するとそこには必ず悲劇が起こるってことを人類はこれまでに歴史から学習してきたはず。
アメリカンは歴史に学ばないのだろうか。

観たことはないんですが、「AKB総選挙」ってのがあって。(あるらしい)
若い子たち、若くないオサーンたちまで「CD」を買って付属されている?投票券を使ってお気に入りのタレントに投票するという、いっけん平等なような選挙がものすごい人気らしいです。(今はもう下火なのかな?知らないので申し訳ない。)
何が言いたいかというと。
アメリカの選挙はまさにこういう感じ。
本来なら「AKB48」というタレント(集団)は自分たち以外のほかのタレントやグループと「競い」そして「売り上げ」をあげて自分たちの付加価値を高めていく作業に勤しむわけですが。
芸能界で「無敵状態」になったら、もう余裕。
でも余裕ぶっこいてるわけにもいかないのでグループ内選挙でもやって緊張感を楽しむ?ってことをしてるんだろうと分析してます。
もっといえばAKB総選挙は「普通選挙」ではなく「資本主義社会における株主総会での案件に対する投票活動」のようなもので、お金をたくさんもっている人間をたくさん自分の陣営にいれて仲間にすることで選挙に勝てるわけですね。
大統領選は普通選挙で金がない人も一票を投じることができますが。
どうにも簡単にはそういえない部分もあり。
自家用ジェット機で飛び回れるだけの財力がないと候補になれないですし。
実際に投票するのは大統領候補ではなく選挙人と言われる各州にいる代理人みたいな人に投票するんですが。
がんがん派手にキャンペーンできない候補人つまり大統領候補は全く勝てる要素がありませんので、事実上、お金で戦う大統領選挙というわけでAKB48と似たり寄ったりです。

もしこれが北朝鮮がすげえ頑張って?て、今にもハワイかサンフランシスコあたりをミサイルで攻撃しそうだ!っていう状況下だと、アメリカンどもは今のような大統領選挙はしていないでしょう。
きっともっと実務的で淡々黙々と「成すべき事を成す」候補者を大統領にするのでしょう。
だってトランプさんって過激な発言はしてるけど、自国の歴史や文化もよくわかってないし。他国の歴史になんか興味もないわけで。
バックボーンに流れるものがゼロなヒトって結局誰の意見を聞いて良いのかわからなくなって何もできない、ってオチになるパターンだと思ってますからね。

アメリカンはいつもそうだけど。
目の前に敵が迫ると、急激に強くなる。
かつての日本、ソビエト連邦、アルカイダ、ISISなどなど。
差し迫った恐怖を感じると強くなる。
そしてしっかり優秀な人材を出してきて戦い、相手を駆逐する。
敵が居なくなると、そういった優秀な人物は政治や表舞台から姿を消して「経済活動」の方に重点的に投入して「金を稼ぐ」ことに夢中になる、ってのがアメリカのこれまで繰り返してきた歴史だと思うわ。
なので今は「敵が居ない」状態なので、政治には優秀な人物は流れてこない、時代だと思います。
トランプさんはそういうタイミングで出てきた実に「ナイスタイミング」な人物でしょう。
そして彼自身もソレを理解していて「今がチャンスやんけ」とわかって出てきているのが実にアメリカンですよね、日本人でそこまでの厚顔なヒトって見たことないかも。

他国のリーダー選挙なので面白おかしく見てるだけなんですけど、アメリカのリーダーは日本の先導者にもなるわけで。
トランプさんに導かれるのはちょっと怖いなぁと思うし。
ヒラリー女史の「おばさん目線」な考えとやり方、そしていつの間にかトランプさんと似たり寄ったりな意見になってきてる不安感、、どっちが選ばれても、、大変な時代になりそうだ。

ユニクロの柳井氏も日経オンラインで述べているように「トランプ氏はアメリカ・ファースト(米国第一主義)というが、ミー・ファースト(自分第一主義)だ。」と扱き下ろしてます。
たしかにひどい発言が多いけど、現在の地球上ではトランプ氏と近い考え方を持つ人が多い、多くなった、というのが現実ですな。
そうなると柳井氏が心配するのは書かれてるとおり「俺たちに職がないのは日本企業のせいだ」と「ミー・ファースト」で暴れるだろう人間だ。
日本企業が襲われるんじゃないか?と誰もが思う。
「アメリカ・ファースト!」と叫んで襲いかかる「ミー・ファースト」たちの姿が目に浮かぶ。
そしてそれを大統領が是とする国になるわけだ。
あれ?そんな国、、、近所にあったんじゃ??
少し前に「愛国無罪!」って騒ぎだし、日本企業のショップを襲い、強奪のやりたい放題をし、、そしてそれを是とした国家、、、があったよね?
愛国無罪な人たち
彼の国は民主主義政治じゃない国家ですよ?
そんな国家が残した歴史の汚点と同じ方向に「地球上で敵なし」の国家が向かうのですか?
民主主義政治国家っていったいぜんたいどうしちゃったんだ?

そもそも少数派の意見が完全に黙殺されすぎてますよね。
ここのところ、何を決めるにしても「選挙」になるわけですが。
俺たちも世界で一番だ」と胸を張ることの多い「大英帝国」も「国家百年の計」を決めるのに愚かにも「国民投票」なんかしちゃって。
僅差でEU離脱を決めましたが。
わずかの差で負けた少数派は「黙殺」ですよね。
EU離脱もEU残留も「どちらも間違いではない」はずなのに。
選挙で少数派になると「間違い」というレッテルになるのはどういうことなんだろう?
100人が居て、51人と49人に別れたら。
49人の意見には耳を貸さず、51人が全体の100人の運命を決めることができる、っていう、、今の民主主義政治は無理があるんじゃないか。
そんな「国家百年の計」を決める大事な「選択」を「すごい賢明で金持ち」から「脱税してて字も読めないようなヒト」にまで等しい一票を投じさせる「普通選挙」って「良いシステム」なのか?

残念ながら、今回のアメリカ大統領選挙はどっちが選ばれても「大差ない」システムのようで。
さらにアメリカは現在「国家百年の計」を選択する時期に来ていないので。
何度も言いますけど「誰がやっても同じ」だし「誰がやっても大差ない」と思いますわ。
進む方向はトランプでもヒラリーでも同じ。
アメリカ人が選ぶのは「こいつの方が少しはマシかな。」だけでしょう。