2012年7月2日月曜日

第46回 JBCF 西日本ロードクラシック 広島大会

富士山が終わってからは、もう頭の中にこびり付くワードとして「第46回 JBCF 西日本ロードクラシック 広島大会」が刷り込まれていた。
あざみラインも強烈なコースだったけど、森林中央公園も激烈。
過去に3度、走ったことがあるコースだけど、何度走っても「イヤなモノはイヤ」と声を大にして言えるコースである。
しかし、ボクのような貧脚レーサーが参加できる「ロードレース」と呼べるレースは数少なく、この西日本ロードはその数少ない「走ることの出来るロードレース」でしょう。(その中で最高に厳しいコース)

チームメイトもこの西日本ロードに向けて激しいトレーニングを重ねてきて、皆の調子も登り調子の様子。
ボクも負けじとそれなりに積んでは来たものの、いくつかの不安点、不安要素はあった。
まあ、うじうじ考えていても仕方ないので出たとこ勝負やなぁ、とは思ってたけど…
photo by @takathuka
土曜日、、朝からレース会場に向けて移動。
マイカーで行くのはどうしてもイヤで(帰路の運転に自信が無いから)今年も電車移動。

福山駅で「つけ麺」を食べレンタカーで会場入り。
チームメイトと合流してコース試走。
試走すればするほど過去の悪夢が蘇り、どんどん自信を喪失してしまう。一緒に試走したメンツはこのコースは初体験なので、ボクなりにコースの特徴を皆に説明し、12km強あるコースの覚え方?みたいなのを話ながら、ゆっくりと…試走。
最後の1周回はひとりで回った。
色々考えながら。

photo by @takathuka
だいたい1周回すれば200m以上登る。距離は12.3kmぐらいなのに。
アップダウンばかり。大きなコーナーは無いけど細かなカーブは多い。
有名な「三段坂」は「どこが三段やねん?」っていうぐらい。ボクには四段にも五段にも見える。
試走中にも(あかん、登れん…)って思った。
それぐらい登りのときに脚に力が入らない、なんでやろう?
考えても思い当たる節が無い。ついこないだまでは調子は良かったはず?
考えられる変化は「天気が悪い」だけ。

路面がウエットで滑りやすかった。でもチームから供給されたタイヤでそ
のマイナス面は補間されていたはず。
(おかしいな?)と思いつつ、ホテルに戻り、バタバタと支度してると@takathuka選手からの食事のお誘い
レース前にチームメイトと食べる食事ってかなり珍しい時間だなぁ、と思った。 考えてみればこのシチュエーションは記憶が少ない。
過去に数回?ぐらいじゃないかな。
それぐらいレース前夜はみなバラバラだから。
殆どがレース当日、会場で顔を合わせることが殆どだから。
この珍しい「レース前夜の夕食会」はたいそう盛り上がり。
ボクも普段より多くお酒を飲んだし。
@takathuka選手は明らかに前夜からアドレナリン放出状態だったようだ…

夕食後は大人しくボクは部屋に戻り、、缶ビールで再度セルフ乾杯して、テレビ観てたら、あっという間に寝てた。(笑)
そんなに疲れることをした覚えもないし、前夜はよく寝たのに…、でもまあ、レース前夜に眠れないよりはマシでしょう、変な時間に目が覚めなければオッケーやねぇ。
ということで勢いをつけて爆睡。目が覚めたのは午前4時半。
なんか変な夢を見て目が覚めた記憶だけ、目覚めの瞬間に脳に刻まれたんだけど、それがどんな夢だったのかは、思い出せない…
起きたら起きたで(はて…?)いま自分がどこにいるのかもわからない。
(あ、そうか。レースで広島に来てるんだ。)と数秒はわからなかった。(笑)
(ボクにはよくあることですが。)

起きてすぐに窓から外を見た。
まだ薄暗くてわからないけど「晴れ」ではないことはわかった。
雨は覚悟したけど、、、小雨なら…
と思い、雨装束の準備を…
と、、ここで「失策その1:雨天用クリアレンズのアイウエアを忘れた」ことが発覚。
さらに「失策その2:ケイデンスセンサーのマグネットを紛失」試走時に落下したみたい。
なんだかなぁ、とちょっとガッカリ。

急いで身支度を整え、昨夜のツイートを見ると午前5時半に出発のようだ。
部屋を飛び出し、フロントへ。
チームメイトが待っていてくれて、クルマでレース会場へ。
外は雨。
かなり降ってる。
(ダメだ、こりゃ。)
アップ前に寝てた。
いつもの場所にクルマを停め、だいたい想定通りに物事が進んでいく。
ボクはレースが近づくとだんだん無口になる。
そうでない逆の選手もいる。
でも多くは無口になるパターンの方が多いと思う。
チーム全員が揃い、一通り挨拶が終わり、一通り持ちネタの「ギャグ」を終えると、だいたいみんな無口になっていく。
ボクはコンペックスでマッサージしながら寝てた…
E3のスタートタイムは9時10分。
今年は去年と違い遅い。

慌てる必要もない。
理想的には1時間ぐらいアップしてスタート20分前ぐらいになってればいい。
逆にE2の@manma3団長のスタートが早い。
みなで団長のお手伝いをして、スタートに送り出してから、ボクはウォーミングアップ開始。
ライバルの@tanukyoto選手とも朝の挨拶を済ませたし。
あとは「内に秘めるナニカ」を呼び起こさなくちゃ。
アップは@p_r_a_n_k元師匠と並んで固定ローラー。
ボクの後方でライバル@tanukyoto選手が3本。
狭いテント内で雨を避け犇き合うようにウォーミングアップ…
なんて暑苦しい…テント内に加齢臭が充満して爆発しそうだ。

アップ中、何度か脚を止め、団長の応援。
しかし、時間とともに余裕がなくなり、アップに専念。
心肺も仕上がり85%ぐらいまで吹き上げた。
汗なのか雨なのか?上半身はぐっしょり濡れてて、寒くなるとまずいので、レインコートを着て、スタート地点へ。
雨ガッパ着用。
少し遅れていったのでチームメイトと離れた地点でスタートを待つ。
ところが、神様が怒ったのか?スタートの10分前から、信じられないぐらいの豪雨に。
激しく叩きつけるような雨粒。(雨ガッパを着てる時は降らなかったのに!)
バチバチバチッ!
雨粒が背中に叩きつけ、ジャージから音がする…
あちこちで悲鳴が…
こんな大雨は去年の春の鈴鹿以来だ。
まじか。
走れるのか?
スタート前にボクの心は「ボキボキッ」と音を立てて崩れ折れた。

(やめようかな?)

そんな気持ちが芽生えた。
ボクは雨のレースが苦手。
それに危険なのだ。
ボクは生来、目が弱く、雨水などが目に入ると「結膜炎」をすぐ発症し、一時的に視力が下がる。
目が開けていられなくなるほどにまでひどくなることがある。
過去にも「ツールドのと」で大雨に見舞われ、目が見えなくなり、立ち往生したことがあるのだ。
(小学校のときプールの時間が終わると目を真っ赤に腫らしてたヤツいたでしょ?あれです。)
自分、ヒトリの単独落車なら、まだしも他人を巻き添えにして転けたらヤバイやん。
どうしよう?ああーー。
と、自分の中で踏ん切りが付かないまま、スタート時間に。(汗)
(やるだけやる!)
吹っ切らなくちゃ。
スタートと同時にかっ飛んでいく選手。
スタートダッシュは迷いがあったせいか、出遅れた。
必死に追い上げる。
チームメイトはもう遙か彼方。
(それはそれでいい。)
チームメイトがスタート時の混乱で事故らなければそれはそれでいい。
ボクは違う場所で万一に備えられたらいい。
みんなが危険地帯のスタート後の下り坂侵入路を抜けたのを確認してから、ボクは左から侵入。
坂を下る。
下り坂の密集は怖い。
前からがんがん雨飛沫が襲いかかる。
水中を走ってるかのように、コース上が霧で覆われる。
最初のブレーキングで驚くほどカーボンホイールが止まらない。
(なにこれ?!)
カシュカシュシュシュシューッと擦れた音がするだけで、速度は落ちない。
案の定、曲がりきれずにオーバーランする選手がちらほら…
50km/hぐらい出てるのに、ブレーキが効かないなんて…狂気の沙汰やな…
もう速度調整は諦めた。(笑)
ペダリングで調整するしかないわ…
下り区間が終わり、最初のキツイ登り区間で、ずるずる落ちてくる選手をパスし。
ライバルの@tanukyoto選手を追撃開始。
しかし、自分も登れない…
(身体が重い)
雨のせいか?
気持ちのせいか?
登りに精彩がない。
身体は重く感じるし、踏めない。
おかしい!おかしい!
こんなんじゃ@tanukyoto選手に追いつけないっ!
…と思っていたら、、、@tanukyoto選手、メカトラで止まってました…(笑)
抜く時、、(あいたーーっ!(>_<))って思いました。
早くも競り合う選手を失ってしまった…(TДT)

最初の三段坂で、ずるずると順位を下げてしまい。
グループも二つぐらい下がってしまった。
(これ以上下げない!)と歯を食いしばったけど、結果的にはまたそのひとつ後ろにまで追いやられてしまった。
いちど、折れかけたモチベーションをレース中に元に戻すのは難しく。
何をやっても、ダメなように思えたし。
誰を見ても、自分より強く、速く見えるんだ、こんな時って。

ただひとつだけ。
(こんなんで、ずるずる落ちていくのはイヤやっ!)って歯を食いしばることしかできない…今となっては…
イヤや!
二周目からは雨で目が痛くなり、アイウエアを外し、目を拭きながら走行。
前方の選手に追いついたら雨飛沫で見えないのでそのときだけアイウエアを装着して、なんとか後半戦に繋ぐ。
途中、何度も折れそうになった。
もうやめよう…ばっかりだった。
この坂を終えたら降りよう。
次のコーナーで降りよう。
次に抜かれたら降りよう。
こればっか…

そんなとき「しんちゃん、がんばれ!」「まんま!がんばれ!」って声をもらって、、
(うひゃ、降りたらかっこわるいやん。)で繋ぎ止めました。(笑)
なんとレース中の選手にまで「Teamまんま!がんばれ!」って声をかけてもらえました。(笑)
まさか、レース中の相手にまで励まされるとは…( ゚∀゚)アハハ八八ノヽノヽノヽノ \ / \/ \

なんとか二周を終え、足切りは免れ、、小さくガッツポーズ。
チームメイトがどうなってるのか?ぜんぜんわからなかったけど。
途中、@manma_mamaから先頭からのタイム差とか情報は聴けてたので。
応援してくれている仲間の顔を見てたら、たぶん他のチームメイトは良い走りを続けられているんだ、と推測してた。

三周目に入ると、それまでと様相ががらっと変わっていた。
雨のせいであろう、落車によるメカトラ、パンク、理由はわからないけど、道端で踞って走れなくなっている選手、などなど、大勢いた。
晴天で、、、完走できるだけでもオッケー、みたいなレースなのに、、大雨じゃ、、折れる選手も多いだろう。
まして最終周回は…体力は終わってるし、気持ちだけで走る時間帯。
飛んでけっ!自分!
チェーンを外して、落ちていく選手。
脚を使い果たし、もう登れなくなる選手。
いろいろパスして、最後の三段坂は、もう脳も動いてない。
三段坂をパスしてからは、先行する選手に、追いついて、後方からも3人が追いついてきて。
5人のグルペットで牽制しまくり。
明らかにゴール前のために、みな脚を残そうとしてる。
とうぜん、ボクも同じ考え。
過去に3回もここを走っていて、よくわかってるつもり。
先に仕掛けたらアカン。
(しかし結果はNGだった。あの場合、ボクは先に仕掛けるべきだった。)

最後のヘアピンまでは5人中2番目で。
ヘアピンを終えると、後方からズドンと抜かれた。
焦ったけど、先頭をずっと走ってた選手を取りあえず登りのキツイ部分で抜いた。
しかし…

勾配が緩くなるところで抜き返された。(TДT)もう踏めなかった。
結局、5人のグルペットで最下位でゴール。
みんな、ボクよりクレバーで強かったわけだ。
レース後はもう汗だか雨だかわかんない、ぐちょぐちょのドロドロ。
もうすぐ50歳のオサーンが雨泥でグチャグチャなのも、、どうか、、と思いますよねぇ。(汗)

とにかくキツかった。
晴れててもキツイのに、大雨にこのコースはイヤだ、走りたくない、もう二度と。
怖いし、キツイし、頭がクラクラする。

過去の記録

  • 第46回西日本ロード   1:07:40
  • 第45回西日本ロード   1:14:29
  • 第44回西日本ロード   1:06:49
  • 西日本チャレンジ    1:08:11
ということで、惜しくも「自分史上最速」には届かなかった…
ゴール後、たぶん届いてないだろう…と自分でも感じてた。
それぐらい、「ナニカ」が足りなかった。

しかし、去年より7分近く速くなってるぜぃ!
この法則でいくと、来年は1時間切りますねって!(笑)

「たられば」ですが、雨でなければ!とは思います。
でもおかげで足りない「ナニカ」を探す旅ができます。
1年かけて、、、探そう。

神様が、ちょっと、のぼせ上がったボクに「目を覚ましなさい」と頭から雨水をかけてくれたレースだったのでしょう。
ちょっとぐらい練習したからって、そんな簡単に強くなれないよ、っていうことですね。

出走 159人
完走 129人
順位 104位
でした。

レース後のボク
「楽しかった」と言える内容のレースではなかったけど。(たぶんそんな感想が言えることは永遠に来ないレースだとは思う。)
いつもボクの中で「何かキッカケ」を与えてくれるレースであり、場所です、ここは。
ひょっとしたらライバルと決めていた選手に勝てて、目標としてた順位になって、バンザイで終えられる?と甘い期待を「こなごなに」粉砕してくれました。
何一つとして達成することができず、「やりなおし!」を命じられた、そんな気がしました。
そしてそれは「イイコト」なんでしょう、と思えるようになりました。

「ちょっとぐらい練習しても強くなれない。」
けど
「階段は最初の1段目を踏み出さないと2階には行けない。」
とも言われた気がしました。

足りない「ナニカ」を、これから追いかけます。
まず最初の1段目を踏み外さぬように。

追記:レースの様子がアップされてました。( ^o^)ノ
撮影、どうもありがとうございました。m(__)m

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