2012年6月18日月曜日

第9回 JBCF 富士山ヒルクライム

今までに富士山を登った経験が無く。(登山もない。)
いつかは登ってみたいなぁ、とおぼろげに思っていました。
日本人だしね、スポーツやってたら、、やっぱり「一度は…」って思う場所だと。

コレまでにも幾度となくチャンスはあったのですが。
仕事や他のレースと重なってしまいイケマセンでした。

そして今年、ようやく念願かなって富士へ…
しかし。
やはり富士への道は険しい。
数日前に既に「週末は雨やで」と教えてもらい絶望。
絶景を楽しみに登るのに、、(>_<)
一縷の望みも絶たれ天気予報は回復せず、土曜日の午前6時起床で御殿場へ向かう。
大雨の中、いつものように輪行。
高速バスで名古屋へ、名古屋から新幹線で三島へ。
三島から在来線で御殿場。
御殿場で軽四のレンタカー借りて須走へ。
道の駅すばしり」でチームメイトの@ganzi1984と待ち合わせ。
試走の予定だったんだけど雨が酷くて試走は断念。
クルマで下見することに。
(でも雨の中、VAXは試走してた…すごい…)

軽四にボクと@ganzi1984が乗って、あざみラインを走る。
すごいコースだ。
最初は「ずどーん」と一直線に駆け上がる。
道幅が広いので緩やかに見えるけど実は10%勾配。
ここで踏むと終わるなぁ。
天空へ続く道
下見の感想、、、というかボクなりの「作戦」は前日に書いたこれを参照。

とにかく「作戦」どおり「生き残る」ことを考えなくては…クライマーでもないボクが最後まで登れる保証はない。
ホテルでゴロゴロしててもレースが心配でなかなか落ち着かない。
気晴らしに歩いてホテル近所のつけ麺屋さんに。
つけ麺 白虎
あとは缶ビール飲んでおしまい!

レース当日。
午前4時起床。
黙々と身支度を整え、予定通り午前6時に会場入り。
ほどなく@ganzi1984も到着。
ウォーミングアップへ。

@ganzi1984はローラーより実走が良い、ということでコース実走へ。
続々と集まる選手たち。
みな「栄養失調か!」って突っ込みたくなるほど細い、小さい。
クライマーたちの見せ場だねぇ、このレースは…と改めて思い知らされた。
ボクなんか肥満体の部類ですやん、これ。(恥)
そもそもヒルクライムは好きなだけで速くないし登れるわけでもないしなぁ、ボク。
頂上の絶景と達成感だけが楽しみなんだよねぇ。
そうこうしているうちに身体も仕上がって荷物を預け、スタート地点に。

E3は130名ほどのエントリー。
E1からの一斉スタートで大した緊張もなくあっという間にスタートに。(笑)
最初の直線登りに差し掛かるとボクはいとも簡単にずるずると順位を下げ。
あっという間に後方、、、大ピンチ。
でも昨日の下見から(いや、もう馬返し終わるまで我慢)の覚悟。
(途中まではビリでもええわ)の覚悟も出来ていた。
自分の中の確信として、(先を行く選手は絶対途中から落ちてくる。)と信じてた。
普通の感覚で登ると、8kmぐらいで脚が終わるから。
そこまで待ってれば順位は上がる…

直線区間が終わり、クネクネ曲がる「つづら折りPart1」に。
ここで若干勾配が緩くなる。
しかし落ち着いて少しでも脚を使わないようにコーナーは外側いっぱいを回って温存。
コーナーのたびに順位を落としてたけど気にしない。
しかし、心拍は92%とか上がってきてる…
徐々に「身体がイッパイになって悲鳴をあげ始めてる」のがわかった。
少し速度を落として心拍88%まででキープ。
既に3km過ぎたところで後続グループの先頭に抜かれ始め、コースの外側は使えなくなったので。
それでもなんとかセンターラインぐらいまでコーナーは大回りして少しでも勾配の緩いところを探して凌ぐ。
「つづら折りPart1」が終わるとすぐ名物「馬返し」に。
下見でわかっていたのでここは一気に駆け上がってパス。
頂点で自衛隊の方から水をもらう。
なんと、この時点では天気が奇跡の回復で晴れ間も見えるような展開になってて。
路面上は蒸し暑く、ミストサウナのよう。
もらった水を頭から被ってクールダウン。一滴も飲まなかった。
(ボトルは十分に残ってたから。)
「馬返し」が終わってからはマイターン。
想像通り、馬返し到達付近で既にボロボロと先行選手が落ちてきていた。
前半に抜かれた選手をここからまとめて追い抜くつもり。
しかーし!!
追い抜けるようなコースではなかった…orz
「つづら折りPart2」がやってきた。
下見でもボクも@ganzi1984も「ここが一番こわい」と言ってた場所だ。
勾配が一定ではなくキツくなったり緩くなったり、たまに下ってたり。
それまで散々脚を使った状態で、これはイカン!な感じ。
踏んでも踏んでも登らない。
しかも山の天気は変わりやすいっていうけど、富士山のはその最上級で「晴れ→大雨」までの変化が10分かからない。(汗)
さっきまで暑い!ってなってたのに、あっという間に真っ暗に霧がかかって、そして雨だ。(>_<)
そしてその雨で路面が滑る。滑るのがイヤで前夜にタイヤを新品交換したにもかかわらず…
さらに路面に敷かれている「グレーチング」の上が超滑る。
1度、思いっきり滑って落車しそうになり「うぉっ!」と大声で唸ってしまった。
そしたら、後続からも「悲鳴」が聞こえてきた…
やはり落車が多発してたらしい…

「踏まないと登れない」のに「踏むと滑って転ける」状態。(>_<)
どうすりゃいいのさ?へへいべいべー。
ダンシングで腰を上げれば後輪が滑り。
シッティングで回せば20%勾配では前輪が浮き上がり。
うまく脚の力をロス無く登坂力に変換することができない。
こんなのは初体験だ。

しかし、想像通り、、この8kmすぎたぐらいからの、みなの「凹みよう」。
ヒドかった。
JBCFの選手が蛇行して登るとは思わなかったし。
E1やE2の選手もどんどん落ちてくるし。
はたまた登れなくてバイクから降りて歩く姿まで見てしまった、、まさに阿鼻叫喚、、地獄絵図。
ボクも必死だった…
蛇行もしたくないし、ましてや降りるなんて絶対イヤだ。
道端には脚が終わって降りて踞っている選手もいる。
想像以上にひどい。
Photo by Yukiさん Many Thanks
ボクも何度も足が着きそうになった。
「クリート外そう」と何度もした。
サイコン見たら「時速4km」とか、、(汗)
歩いてる速度やんか!と絶望しそうになった。
しかし降りたらもう時速4kmでも歩けないこともわかってた。
前の選手の背中だけを見て(こいつを抜く)で踏んで。
抜き終わったら次の選手の背中だけ見て…これの繰り返し。
ゴール手前10mのシーン Photo by @ganzi1984
抜いたり抜かれたりを繰り返し。
「がんばれーあと1km!」という声援が聞こえてからは、もう無我夢中。
どこをどうやって走って登ったのか?思い出せない。
「ここが最後のコーナー!あと少し!」
と聞いてから右に曲がってからの50mがまたキツイ。(>_<)
(殺す気かっ!)って唸りました。
上の写真はその(殺す気かっ!)の瞬間です。
運良く下を向いていますが、もの凄い形相だったはずです。(笑)

ゴールラインまで遠かった…
ラインを超えたら「はーい、あとからくる選手のために立ち止まらず、奥へ行ってー」って言われたけど、すぐ横の空いてる場所にバイクごと倒れ込んだ。(笑)
(奥まで行けるかっ!)と思った。
側に居たヒトが「大丈夫ですか?」と言ってくるぐらい動けなかった。
ゴール後、動けないのはこれが初体験だなぁ。
「出し切った」のではなく、「既に終わっていた」のだなぁ。(恥)

しばらく呆然としてて。
(Edge705のストップスイッチ押してないわー)と我に返ってスイッチ押して…
タイムを見たら1時間8分ぐらい。
1時間切れなかった…のは残念至極だけど。
ペース配分とかいろいろ考えて走ってそのとおりできたのには満足。
ペースを乱して落ちてきたE1とかE2も大勢いたし、そういう風に追い込まれなかったのは良かったと思う。

ゴール後、@ganzi1984と健闘をたたえ合い。
いっしょにソフトクリーム食った。(^^)


天気はゴールしてからも目まぐるしく変化し。
晴れたり曇ったり雨が降ったり、暑くなったり寒くなったり。
めちゃくちゃや。(>_<)
晴れた時には富士がくっきり見えたよ!

順位は105/132位。
まあ、「ちょっと不満&よくやったやん」で50点ぐらいかな。
初めて登った富士山はやはり「厳しかった」。
日本一の山なだけはある、初心者には厳しく接してくれたわけか。
メラメラとリベンジの炎が…
途中、、(ペースあげて1時間切れるんちゃう?)っていう錯覚に襲われたけど、踏まずにそのまま登って良かった、、あれ踏んでたら死んでるわ。(>_<)
ボクにはまだその資格がない、もうちょっと、、もう20%ぐらい強くならないと無理。

富士山は脚力より自重(体重)な気がした。
多少、無理してで5kgは絞り込んで挑まないと登れない、そんな気がした。
引力には逆らえない、、、登れなければ落ちていく…

コース中に響き渡る選手達の「呼吸音」がいまだに耳の奥に残る。
喘ぎ声、悲鳴、呻き声、、富士の裾野にそんな地獄があるとは…

自衛隊の方々には大変お世話になりました。
あの勾配を選手の荷物を山のように積んで登れるクルマってあるんかいな?って思ってたんです。
そしたらやっぱり自衛隊の特殊車両に積んで登ってくれました、ありがとう!
途中の給水ポイントでも「がんばれ!」って声援もらって水ももらって助かりました。

来年も出たいなぁ、他のレースと重ならなければ…うーん…





追記
こんな風にあざみラインを登れるヤツはおらんかった。

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