2017年11月15日水曜日

僕のジロ・デ・イタリア

僕のジロ・デ・イタリア
僕のジロ・デ・イタリア
posted with amazlet at 17.11.15
東京書籍 (2017-11-10)
売り上げランキング: 4,235
沖縄滞在中に読みました。😊
もちろんKindle版です。😀
本を読むならもはやKindleでしょう、紙媒体は旅には相応しくないです。

これまで多くの?ロードレース本を読みましたが。
その多くはレースについて書かれた文章なんだけど、書き手は作家であって。
作家からの視点のレーサー、という作品でした。
もしくはレーサー自身が書いた作品であってもトレーニングについてのハウツー本であったりするわけで。
さらに稀にレーサーが書いた文献でも「勝利」について書かれた作品ってのが主でしたね。
ところがこの作品は違いました。
「普通の若者」と書かれてるとおり、、彼はボクが住んでる田舎町でも極稀に「走ってるところを見かける」ぐらい普通に「会えるレーサー」です。(でした?)
実際に何度か走ってる時にお見かけしたこともあります。
最近は家庭を持たれ父親になられたそうですが、子供?の頃から活躍を知っていたので、とてもそんな風には思えない、若い、何事も「一心不乱」「一本筋の入った」その競技に対する姿勢は感服しております、常に。(若い!って良いなぁ!って思います。)
そしてこの作品は「ジロ・デ・イタリア」というとてつもない大舞台で「優勝」を目指す選手の作品では「まったく」違います。
彼、作者の目指したのは「完走」。
つまり最後まで走りきること、を目標に。
ただそれだけを真っ直ぐ目指した作品です。
(実際には「逃げ」にも挑戦するけど)
でもそれは今の日本の自転車界なら「目指すことが許される、たった一つの場所」であること、は多くのロードレースファンなら既知の事実なのです。

文章も難しい言い回しなど出てこないし。
描写表現に凝ったりする、いわゆる「作家の技術」なんてのはまったく使われていません。(笑)
素直に思ったこと、感じたことを、ジロのステージ毎に書き連ねてある、といった感じ。
プロの物書きの仕事じゃないので感涙にむせび泣いたり、ずしーんと胸に迫る読後感とか無理ですから。😅
全ては「大学を出たばかりの普通の若者がジロに挑戦した」という視点で、読み手もその感覚で読まなくちゃイケません。
レースを知らないヒトに説明するなら。
「金剛山を登ったことがあるぐらいなんだけどマッターホルンに登ってみたよ!」って喩えがいいんだろうか?(笑)
まぁ、そんな感じです。

ロードレース経験者なら読んでいくのに何の苦労も要りません。
むちゃくちゃ面白いし、興味深いです。
日本のアマチュアでステージレースなんて経験するのは難しいけど。
その辛さは想像できるかもしれない?レベルなんですけど、読めば、こっちもシンドクナリマシタ。(笑)
十分、伝わりました。😅

一気に読めちゃいました。
次は「僕のツール・ド・フランス」を首を長くして待ちましょう。😊