2016年8月15日月曜日

さんいん1300

少し前に宣言していたとおり。
8月11日~15日まで「さんいん1300」に出走してました。
昨年、ツール・ド・ブルベで200kmを七日間ってのを体験してたので。
今回は300kmの四日間ぐらいかな?って程度の感覚でしかありませんでした。
甘かったです…

8月11日亀岡~松江

10日の夜にクルマで亀岡まで送ってもらって。
ホテルでさっさと仮眠。
午前2時頃起き出して2時半にホテル隣の牛丼屋でチームメイトのともぢゅんと待ち合わせ。
朝飯は牛丼ミニでした!
ともぢゅんと!
仕事で参加できなかったともぢゅんと一緒に走り始める。
朝、、っていうか夜中は思ったより寒くてアームカバー装着して走りました!
気温は17℃だったよ!
走り出しは快調で、約50km交代で前を牽いたり牽かれたり。
そして同じく50kmぐらいで休憩を挟みつつR9をひたすら走る。




有名な「すなば珈琲」
ということで「すなば珈琲」までともぢゅんがお伴してくれました、感謝。
おかげで予定よりも速く走れたし。
時間も短く感じた。
問題は「ひとりになってから」の走行でしたね。

大山(だいせん)を観て帰りたくなる
大山を観たとき「えらいところまで来てしまった」感が滲み出てきて帰りたくなりました。
しかしもう引き返せない場所まで来てるやん!
最後の力を振り絞って松江で1日目終了。予定通りです。
明るいうちに松江に到着
なんか余裕タップリの1日目でした。
こんな毎日やったらツール・ド・ブルベのときと同じ感じでいけるやん?!とか思ってました。(甘かった)

さっさと晩飯食べて寝ちゃいましたけど。
普通、こういうのって睡眠時間削って走るんだけど、めっちゃ寝てしもた。(汗)
これが後々、、命取りに…(汗)

8月12日松江~下関

二日目、、朝、、、たぶん2時頃起床。
3時頃、ホテルを出たと。
3時6分GARMINのスイッチオン。
いきなり表示がおかしいぞ、GARMIN。
買ったばかりの新製品Edge820なのに。
なんか英語でズラズラと文字が出てる。
暗闇なのでよく見えない。
イライラしたので予備機のGarmin eTrexにスイッチして走り出す。
眠い。
タップリとはいかないまでも11日は早く到着したので寝てるのに。
どうにも睡魔が我慢できない。
(こりゃ、調子悪いな?)
体調がイマイチなんだろう、頭がはっきりしない。
ボクはこれまでにブルベは400kmまでしか走っていない。
1日での最長距離は400kmまでなのだ。
睡眠不足に超弱い体質で、寝ない辛抱ができないのである。
最低でも4時間、できれば5時間は寝てないとパフォーマンスが極端に落ちる。
(普段は平気で8時間、長ければ10時間以上は惰眠する体質である。)
走りだすも宍道湖の周回路で既にシンドい。
最初のコンビニ休憩で駐車場でしゃがみ込んで寝てしまう。
出雲大社
どのぐらいの時間眠っていたのか?定かではないけど、本人は数分のような感じでしたが、あとになって考えるとここでかなり寝てたのかも?
(こんなとこで寝てるぐらいならホテルのベッドで寝ればよかったんだ!)
と後悔しながら必死で遅れを取り戻そうとする。
しかしこれがいけなかった。
二日目は初日のように体力がなく、、踏めば踏むほど消耗がひどい。
さらに朝になって気温が上がりだすとますます辛くなる。
そして追い打ちをかけるようにGarmin eTrexも調子が悪くなりナビをしてくれなくなる。
石見GFのときにいつも来てる大田市駅
5月にGarmin Edge1000が水没(大雨)して壊れてBrevetをDNSした経験があるのでGarminの不調は怖かった。
でも今回は違う。
まったくGarminが動かなくなってもR9を走ってれば問題なく走り続けられるし。
前回と違ってGarminが完全に壊れたのではなくナビゲーションしてくれないというだけで地図は表示できる、ということから旅を続行。
気楽に走りました。ここでまたeTrexからEdge820に交代。
Edge820は相変わらず英語でなにやらいろいろ最初に表記されるんで、今度は明るかったからよく読んでみると「Firmwareのアップデートしますか?」みたいなことを訊いてくる。(笑)
(おいおい!こんなときにアップデートか!)と苦笑しながらもアップデートしないと次の画面が出ないので渋々アップデートしたら…
やはり!初期設定画面に。(笑)
ぜんぶ設定が消えちゃった!!(苦笑)
450kmぐらい走ってフラフラになってるところに「あなたは男ですか?女ですか?」ってGarminに尋ねられた日には怒る気力も失せたわ。
その後、走りながらなんとか設定を戻し、どのデータが残ってるのか?調べるとポイントデータは消えずに残っていた。
(休憩予定のコンビニの緯度経度と宿泊予定の緯度経度、あとは松江のCPの緯度経度)
まぁ、こんだけわかればあとは点と点と結ぶ最短道路を走ればいけるかあ?
と安易な考えで走り続ける。
軍曹登場
大田市駅を過ぎた写真をSNSにアップしたら、それを見て夜勤明けの軍曹が来てくれた。
感謝。
眠かった身体に不思議と力が湧きました、人間とは単純な生き物だなぁ。
このあと、考えたのが。
  1. 安全にR9を走り続けて下関を目指す。ただし距離は遠くなる。
  2. 一か八か、山越えルートで最短で下関を目指す。
この2つの選択肢。
当初から秋吉台を通っていくつもりだったので山越えルートを選ぶ。
しかしこれも大失敗。
走ってる途中で適当に道を選んだ結果、わけのわからない道に入ってしまい。
電灯もなく真っ暗闇の山中を走る結果に。
道も細く荒れてるし、ここでメカトラとかしたら死ぬなぁ、とか思いつつ走ってると、、ようやく下りに。
(助かったなぁ)
と気持ちよく下っていると、、、脇道からいきなり鹿登場。(汗)
(まぢか!)
こっちは時速70kmぐらいで下ってる。
鹿、ビックリして道の真中で止まってくれる。(汗)
(止まるなよ!)って思いフルブレーキ、、鹿の側面とボクの左側面が衝突。
第一印象!痛いより、臭い!(*_*)
野生の生き物ってすげーーーーくさいわー。😨
鹿は一瞬体制を崩しただけですぐに立ち去っていきましたが、ボクの左半身はすげー獣臭くなりました。(泣)
その後、、、下関市内に突入してやっと寝れるかなー!って走ってたんですけど。
下関市に入ってもしばらくは山中で物凄い大自然地帯でした。
民家も少ししか無い。
そこで今度は野犬の群れに襲われました。(泣)
5~6匹の大型犬の群れに吠えられ、追いかけられ、ひどい目にあいました。
おそらく左半身についた鹿の匂いが原因でしょう。(号泣)
鹿とちゃうし…人間やし…
そうツブヤキながら必死でペダルを回して逃げました。
そんなこともあり、本来なら秋芳洞周辺でコンビニで休憩して本部にメールで無事メールをする予定だったんですが、決して100%無事な状態ではなかったんで犬から逃げ切って、民家が増えてきた地点でコンビニに入ってメールできました、もうだいぶ時間が遅くなってました。(泣)
野犬から逃げ切ってコンビニに着いたところ
下関に到着。橋の向こう側は九州

最短ルートのつもりが思ったより登りがきつくてひどい目に逢いました。
選択を完全に誤りました。
急がば回れ」やな、と心に刻みました。
夜中に走ってるので秋吉台なんかちっとも知りません。(笑)
とにかく最短で登って降りたので。
多分途中で案内標識とか看板とか出てたのでしょうがぜんぶ見落としてますね。(苦笑)
だって、どうでもよかったんですもの!
1日目にできた貯金は2日目で使い果たし、それどころか借金生活に。
もはやこの時点で90時間走破をほぼ諦めてました。
ホテル到着後、シャワーを浴びて、コンビニのロースカツカレー喰って、すぐ寝た。
泥のように眠るってこういうことを言うんだろう、って感じで寝た。

8月13日下関~松江

起きる、三日目。
もう深夜に起き出して暗いうちから走る!という作戦は止めた。
起きれない。
たぶん4時間ぐらしか寝てない。
ホテル滞在時間は全部で6時間ぐらい。
シャワーを使えただけでもありがたい。
2時に起きる!なんてとても無理だった。
全ての予定を3時間ずらした。
そして、この日は松江に戻る日だ。
昨夜は「決死の山越え」ルートを選んで登り坂で悶絶したので、同じ轍を踏まない!という意気込みから、R9沿い、海沿いルートで帰ることにした。
朝ご飯をコンビニで済ませ、ただひたすらR9を走る。
Garmin、必要なし!なぐらいわかりやすい。
海岸沿いだからアップダウンが無い!と思ってたら、、、、ぜんぜん違ってた。(汗)
けっこう、細かく登ったり降りたりを繰り返す。
うーん、日本の漁村にありがちな「隣村に行くには必ず峠越えあります」的な地形でしたか。
もう午前中で脚がイッパイイッパイ。
100wも踏めない。
平坦か下り坂でないと自転車らしい速度が出せない。
3%でも登ってたら、フラフラとしか走れなくなってしまう。
途中、どうしてもマクドナルドが食べたくなりランチはマクドナルドに。
塩分が欲しくてポテトを貪った。
身体が欲するものに抗うことを止めてた。
もう進まない
こうして「海沿いルート」が平坦で楽なルートだという「思い込み」は崩れ去りました。
ぜんぜん楽じゃない!
むしろ距離が伸びた分しんどかったし時間が余計にかかっただけやわ。(泣)

つまり「急がば回れ」で回ってみたけど回ってもアカンかった、という「ダメなものはダメ」って感じのグリム童話みたいでした。
(2日目の獲得標高より増えてるし。)
今回は選択肢があった場合、、選んだ方はぜんぶハズレてるなぁ…(泣)
松江に到着したのは既に日付が変わっていました、トホホ。
大田市に入ったぐらいでホテルに電話して「チェックイン、遅くなります」って伝えてたんだけど。
温泉大浴場付ホテルを予約したんですが、入らず、入れず。
ホテル滞在時間、5時間ぐらい?で終了。

8月14日松江~大阪

いよいよ最終日。
普通なら「わくわく」とかそういう色んな感情が沸いてくるんだろうけど。
全くなし。
まだ「必死」というか「気を緩められない」状態が続いてた。
午前6時起床。
6時40分ぐらいスタート。
まず指定Check Pointのホテルを目指す。
ここを通過しないといけないルールだ。
っていうかここの通過しかチェックがないってのもスゴイけど。(笑)
7時少し過ぎに指定されたホテルに到着。
滞在時間3分で出発。
Check Pointにて
頭の中は次の選択肢のことでいっぱいだった。
  1. R9を素直に帰るか?
  2. 一発大逆転、最短ルートを目指すか?
ここまでぜんぶチョイスをミスしてる。
でもいいや。
同じ道走るのは退屈だし、知らない道に行きましょう!ってことで「2」を選択。
松江からいきなり南下して岡山県を目指すことに。
これがまた大失敗。(笑)
すぐに中国山岳地帯に突入。
後悔の嵐。
なんやねん、この登りは?
いつまでも続く登り。
少ししかない下り坂。
明らかに不公平だ。
何度かの峠越えで岡山県に突入。
(おお!わりと近いやん?!)と色めき立った。
けど津山市に入ってひどい目にあう。
いきなり「豪雨警報」でスマホが唸ったと思うと、空が真っ暗になり、あっという間に大雨に。
動けなくなった。
仕方なく夏休みで休業してる工場の軒下に避難。
いやもうフルコースで何でもありますね
幸い、軒下避難10分ぐらいで雨は小降りに。
走行を再開するも路面ウエットでクルマから水しぶきを掛けられまくり全身泥だらけ。
(まあ、涼しいから、いいか)
なぐらいの適当感覚で走ってましたが、のちにコンビニで止まって店内にはいったとき、店員がものすごい嫌そうな顔をしたので、何かな?と思ったら自分の身体から発せられる匂いが生ごみのようだったと知った時は愕然としました。(泣)
(鹿の匂いになったり生ごみの匂いになったり、最悪やん。人間ちゃうやん。)
とか思うようになり。
コンビニに入るのも躊躇するようになりました。(笑)

その後はできるだけコンビニ店内に居る時間を短くして、イートインスペースがあっても駐車場で座り込んで休んでました。
兵庫県に入ってからは国道2号線をただひたすら走ればナビも要らないし。
道に迷うこともなし。
ただひたすら走ってるだけでした。
神戸あたりで既に日付を越えていたので、大阪(ゴール)は午前3時頃だろうと予測してました。
深夜の都会は薄気味悪かったです。
深夜の山奥も気持ち悪いけど、都会も大差ないですわ。
酔っぱらいとか、意味不明な奴らとか、軽四に8人ぐらい乗り込んで走り回ってるガキどもとか。
まったく理解できません。
少なくとも動物は生きるために必要なことしかしない、のですが、人間だけが理解できない意味不明な行動をしますねー。
4日間も自転車に乗り続けると、哲学的になるわー。(笑)

淀川を越えた辺りから「ウキウキ」してきました。
やっと終わる。
ベッドで寝たいだけ寝れる。
これだけです。
姫路あたりに居た頃は「コレは永遠に終わらないのではないか?」とか「この道は永遠に終わらないのではないか?」というマイナス思考に脳を支配されてたんですが。
大阪に入るとようやくプラス思考が目覚めました。
そしてようやく。
永遠ではなかった、終わった
永遠に終わらないと感じた1300が終わりました、午前3時4分。
永遠に続くことって無いんだなぁ、何事にも必ず「終わり」がやってくる、というわけです。
ペダルさえ回してりゃ終わるんやなぁ。
ゴールして最初に思ったのはこういうことでした。

最短で帰るぞ!って言ってましたが。
初日より2km短かっただけでした。(笑)
標高は400mも増えてます。
つまり最終日のボクのチョイス(選択)もこれまた「失敗」に終わったわけです。(恥)
やめといたらよかった!と思うことばかりが続いたわけです!
すごいな!ボクの選択眼!!!

最終日は本当にヘロヘロでした、17時間もかかってます、300km走るのに。
初日に比べたら4時間以上多く走ってます。
この「ヘタリ具合」ってのが今までになかった「経験値」ですね。
200kmを毎日走った時はこんなに下がらなかったですから。
300km連日ってのはどんどん追い込まれていく感がすごくて。
毎日がもう分単位での時間との戦いだったように思います。
そして「失った時間をあとで取り戻すことは出来ない」ってことも学びました。
1時間ロスしたからって次の日にそれを挽回することは不可能だってことを知りました。
体力は日に日に落ちていくだけで、その中で時間を挽回するなんて不可能でした。

午前3時にゴールして京橋のグルペットに行って「生きて戻りました」報告をしたのち。
予約してあったホテルに入ってベッドに倒れ込んで寝る。
でも2時間後の午前5時に目が覚める。
全身の激しい筋肉痛で寝てられない。
コムレケア、睡眠導入剤なんかをガリガリ投入して再度寝る。
次に目が覚めたのは午前8時。
今度は空腹で目が覚める。
もそもそ起き出してホテルで朝食(バイキング)を貪り食う。
喰ったら今度は大浴場へ。
1時間ぐらいゆっくりと風呂に浸る。
時計を見たら10時。
マッサージ店を見つけて予約して歩いてマッサージへ。
120分ぐらいずっとマッサージしてもらった。(笑)
終わってお店を出たらもうランチタイム。
喰ってばかりか。
さっそくお店でちゃんとしたランチを喰う。
刺身定食880円
美味しかったなぁ。
感動したわ。
腹一杯になってホテルに戻り。
また寝る。
今度はよく眠れた。
午後5時過ぎまで寝てた。

目が覚めたら急いでグルペットへ。
打ち上げ?懇親会に出席。
ともぢゅんも来てくれた
ゴール地点兼パーティー会場の「grupetto」で美味しいお食事と。
とっても嬉しいおもてなしで楽しかったです。
2010_sanin3
だいたい、計200回ぐらいはDNFしようと思いましたが。
なんか色んな事考えてる間にゴールできました。
「やればできる」というような簡単なことではないですね、少々頑張ったぐらいでは「できません」なことでした1300kmって。
来年はともぢゅんも参戦予定だそうですし。
このブログを検索して読みに来たヒトは来年出るつもりなんでしょ?ニヤリ。
言っときましょう「キツイよ」って。(笑)
「想い」とか「根性」とか跳ね除けられるぐらいキツイです。
自分の弱さをとことん見せつけられます。
自転車ってスポーツは「心を折る」スポーツだと改めて教えられました。
目標だった90時間に達しなかったのでまた挑戦することになるでしょう、次はもっともっと。
さらにもっと戦略と基礎体力を磨き上げて挑みたいです。
年々、衰えていく身体にムチを打って抗ってみようと思います。
たくさんのご褒美をありがとうございました。

使用機材

バイク PINARELLO PRINCE with Shimano Ultegra 6800 ブレーキはDura-Ace 7900 クランクはDura Ace 7800
ホイール Dura Ace c24
スプロケット ULTEGRA 28~11T
パワーメータ Dura Ace 7800 SRM チェーンリングはS-Worksの11S用アウター53インナー39
前照灯 CATEYE VOLT800 2本
尾灯 CATEYE TL-LD570RTL-LD650
ベル CATEYE OH-2400
アイウエアに今回初導入のCTRL EYEWAREを使用。(すこぶる満足しました。)
ボトルは暑さ対策のため2本とも保冷ボトル
ELITE(エリート) DEBOYO COCA-COLA THERMO 500mlを使用。
コンピュータはGarminのeTrex30xEdge820を使用。
バックパックはこれも今回初導入のシマノU-15で走った。(Brevet400km時はU-6という小さいサイズでした。)

機材面での反省点
  • 舗装の酷さに閉口したんで23cのタイヤではなく26とかもっと太いのにすればよかった。
  • バーテープは考え直す。掌が痛すぎて泣いた。
  • サドルも同様。考え直す。ケツ痛くて泣いた。
  • GPSはもっと考える。
  • 充電器をもっと考えないと充電が追いつかない状況に陥る。
持っていったモノ
  • レインジャケット (使わなかった)
  • アームカバー (明け方に使った)
  • レッグカバー (使わなかった)
  • 予備のチューブ 3本 (使わなかった)
  • USB充電器 (毎晩使った)
  • モバイルバッテリ (大小と2個持っていって2個とも使った)
その他、着替えとか予備タイヤとかは別送便で送ったのでバックパックには入れてない。