2013年6月30日日曜日

第47回 JBCF 西日本ロードクラシック 広島大会

今年も電車で広島へ
2013年前半戦の山場、第47回 JBCF 西日本ロードクラシック 広島大会に出走。
僕らのチーム内でもこの「西日本ロード」は別格?の扱いで。
他のレースとは違う「なにか」があって、参戦するレーサーも多い。
+まんま-AO・HANI Cycling Team で18名のエントリーがあって出走は17名。
大所帯だ。
チームはこのレースに向けて何度もチーム練を重ねて各自、能力向上してきた。

ボクに課されたチームオーダーは「無事に完走すること。」だった。


冗談でもなんでもなく、この西日本ロードはボクにとって「完走できるのか?」というレース。
去年はE3で何とかギリで完走したけど。
今年は何の因果かE2。
しかも鎖骨骨折リハビリ中や。(TдT)
どう考えても苦戦を強いられる…

少し前から、このレースのために色々やってきた。

中でも「筋トレ」と「水泳」はコレまでと違う取り組み。
理由はいくつかあって、骨折のために上半身の筋力が著しく低下してたのを何とかしたかったのと。
心肺機能の強化。
そしてリハビリも兼ねてたわけです。

さらに、ペダリングも変化させてきた。
テキストで書くのは難しいけど、簡単に書けば「脚を円運動からピストン(上下)運動に。」変える、という意識でペダルを回すトレーニング。
そして上半身の使い方、腕の筋力をどうやってペダルに伝えるのか?を意識すること。
これだけを特に注意してやってきた。

なにせ、骨折からのライディングは上半身はまるで使ってない乗り方に変わってしまって。
それが無意識に染み付いてしまって、、以前のように上半身をうまくライディングに使うことができなくなってしまっていたんだ。
それが「あとすこし足りない」の「すこし」の部分であると認識。
過去の自分の動画と今の自分の動画を見比べ、研究した。

6月は距離を乗りたかったけど、実は乗ることより、この「フォーム矯正」と「筋トレ」の時間をたくさんとった。そのほうが距離を乗るより今の自分には大切だと信じた。


土曜日、、、レース前日。
午前6時起床。
寝不足気味。
敢えて寝不足にした。毎度の睡眠調整。
午前8時出発。予定より1時間早くなった。
京都から新幹線。福山まで。
福山でランチ。広島焼きを食べる。
レース前だというのに、太る。(汗)
福山からはレンタカーで移動。
数年前からこのパターン。自分で運転するのは1時間だけ。(笑)
ホテルにチェックイン、その後、すぐバイクを組み立て調整。


例年通り、エアポートホテルはレーサーでいっぱいだ。
今年は広い部屋にしたのでゆっくり部屋で調整。

そして、森林公園へ。
試走タイム。
メガネ屋さんと出会って、いっしょに走ることに。
DSC04910
4時半頃から走り始めて、、、2周だけ試走した。
たしか試走タイムは午後6時まで?って聞いてたので。
まあ、腹も減ったし。
2周でお腹いっぱいやし。
1周しただけで前年の記憶が蘇ったし…相変わらず厳しいコースや…何周回っても同じやし…


1周目走ってる時にいろいろ話しかけられて、しばらく並走してたんだけど。
2周目にあっという間に抜かれた。(笑)
いやぁ、ボク、試走で全力出すつもり無いですし。

そそくさと試走を終え、ホテルに戻るとチームメイトが「晩飯いきましょう!」と誘ってくれて。
去年と同じレストラン?食堂で乾杯。
いっぱい飲んでご機嫌だ。

ホテルに戻るとあっという間に眠くなっておやすみなさ…い…のはずが。
しっかり夜中に目が覚めて。(汗)
そこからはあまり眠れずに…レース前ナーバスモードに突入…ああん…
結局、4時まで、うとうとだけして眠れなかった。

やっぱり、レースは怖い。
骨折した悪夢が蘇る。
西日本ロードのコースはどちらかと言えば「怖いコース」だ。
派手な落車も多い。
レース前の緊張より落車の恐怖で眠れなかった。

午前4時、、起きてたけど、起床。
お風呂入って朝飯食べて。
ここまでは去年といっしょで。
今年から違うのはレース会場へ行く前に、部屋でストレッチ体操やった。
駐車場開門が午前6時。
E2の出走時間が午前7時半。
時間が足りないからだ。
ホテルでやれることはやっておくことにした。

みっちりとストレッチやって、鎖骨もリハビリ体操やって。
それからクルマに乗り込み、会場へ。
会場、到着後はすぐに固定ローラー。
最初は心拍70%でずっとキープ。
30分ぐらい70%でその後、いっきに92%まで上げる。
Untitled
ウォーミングアップ中
必ず90%を越しておかないと、、本番でひどい目にあうから…
監督会議から戻ってきた監督と助監督の話を聞きながらもローラー回し続けて。
足切りタイムが先頭より10分と聞かされて、ターゲットタイムは8分やな、と確認。
とにかくやるしか無い。
Untitled
怪我は避けたいけど、ここ広島まで来て、足切りもイヤだ。
出走サインを済ませスタート集合場所へ。

7時半スタート…
早いなぁ、、、早朝レースは苦手やなぁ…
黙祷のアナウンスがあったらしいけど、集合しているレーサーには何も聞こえてなかったです。
なので、黙祷なのにガヤガヤして失礼しましたが、聞こえてなかったのです、許してください。

号砲でスタート。
猛ダッシュ。
位置取り合戦。
エースのナッカンのアドバイスで右側で位置取り。
しかし、後方からのアゲがきつい。
ものすごい勢いで突っ込んでくる。
ラインが塞がっているのにこじ開けてくる。怖い。
ボクとボクの右隣の選手の隙間に無理やり後方からこじ開けてきた。
隣の選手に接触。
前輪がフレる。
危ない。
思わず声が出る。
隣の選手は落車せずに耐えた、すごい。
左隣の選手が「スタート直後はやめてくれよな。」と怒鳴る。
右の選手は「あいつのせいや。」と怒鳴る。
たしかに無理にこじ開けて抜いていった奴がアカンけど、これがレースや。
スタート直後の位置取りで負けたら、下がるしかないから。
ボクもここで800wぐらい踏んで、下り坂へ突入。
もう「線路なしジェットコースター」に乗ってる気分。
時速60km近くで飛んでいく。
ここはチーム練で練習した「体重移動」を使い、前に張り付く。
できるだけ脚を使わない。
ボクは無理に前を抜く必要はない。
順位に拘る必要がないから。
最初の目的は「完走するモチベーションの高いグルペットに入る」ことだ。
このグルペット(グループ)に入れないと単独走になり、完走は困難になると思ってた。

1周目は集団の後方で頑張った。
まだグルペットらしいものはできない。
三段坂で散り散りになってきて、そろそろか?と思ったけど、また下りでプロトンの尻尾に食らいついた。
このまま1周目終わり。
タイムが20分ぐらい。
ボクには速すぎる、このペースじゃ4周は無理。
落ち着きを見せたのが1周終了直後。
先頭集団が速度を上げたので、後続は着いて行けずプロトンは壊滅。
さて、ここからだ。(笑)
自分と脚のあうグルペットに入り、かつまた、完走のモチベーションの高いメンツを揃える。
Untitled
2周目からほぼ同じメンツで先頭交代しながら走る。
NAKAGAWAの選手の方がかなりモチベが高くローテーションをコントロールしてくれた。
(このメンツならいけそう。)と思った。
ローテの速度が落ちそうになると、早めに交代して速度を上げた。
ボクも積極的に牽いた。
しかし、ピンチは突然やってきた。
2周目の残り1kmを超えたぐらいで。
僕らのローテーションに乱れが出た。
先頭から降りてきた選手が入る場所を間違えた。
そして運悪くNAKAGAWAの選手に接触。
二人はものすごい音を立ててクラッシュ。
吹っ飛んだ。
ボクは「あぶない!」と叫んだ。
クラッシュするまえに叫んだのかもしれない?
もう足が止まった。
(怖い。)とだけ感じた。
やめようか、と思った。
そのとき、後ろから来た選手に「声を出してくれてありがとう、おかげで巻き込まれずに済んだ。」とお礼を言われて、気持ちを切り替えた。
まだ6人ほど、メンツがいる、これで回してなんとか完走を。

Photo by 野人魔魔
2周目のゴールラインを超えるとき「4:55差」と聞かされた。
一緒に走っているメンツも「このタイム差ならいける。」と。
モチベはまた高くなっているように思えた。
もし、5分超えていたら、このグルペットは崩壊していたかもしれない。
3周目の最初で、たぶん、新しいグルペットリーダーが「このままローテーション回していけば完走できる。」と皆を励ました。
ボクもそうだと思った。
しかし、、ボクの脚はかなり終わりが近かった。
普段、レースでは使わない27Tのスプロケでギア選択ミスが多く、ミスったらすぐ前から離されて、中切れしたら申し訳ないので必死で食らいつく、の繰り返しで脚を減らす一方。
何度かヤバイと思った。

3周目の最後のほうで、バイク審判員が赤旗を降っていた。
(え??ひょっとしてタイムオーバーで足切りなのか?!?)と背中が寒くなった。
思わず足を止めた。
しかしよく見ると足切りではなく、前周で落車事故のあった場所だった。
右道路脇にNAKAGAWAの選手が倒れたままだ。
激しい、、救急車が来てた…
無事であればいいけど…
Untitled
3周目のゴールラインを超えた時、「8:55差!」と聞かされた。
やった!完走確定や!!
僕らのグルペットはここで、小さくガッツポーズ。(笑)
完走モチベーションが高かっただけに、みな、少し安堵感が広がった。
リーダーが「あとは落車にだけ気をつけてゴールしよう。」と言ってくれた。
最終周回の4周目は「完走できた嬉しさを噛み締める周回」となるはずだったけど。
やはりそこは勝負事。
6人は途中から駆け引き状態。
お互いの順位は譲らないわけだ。

三段坂で数人がアタック。
ボクはこれに着いて行けなかった。(恥)
もう出し切っていて、、まっすぐしか走れないぐらいに弱っていた。
途中、、曲がれなくて、道路脇に突っ込みそうになるぐらい衰弱してた。

最後の最後までいっしょに走った選手に。
最後のゴール前までいっしょに走った。
ボクはもう途中から先頭交代しなくなっていた。
前に出る脚が残ってない。
ヘアピンを終えて最後の直線。
さすがに牽いてもらうのは悪いと思い。
横に並んで並走した。

二人共しばし無言で走る。

そして、相手が「長かったっすね…」と呟いて。
ボクが「ええ、長かったっすね…」と返して。
それが合図。

二人とも最終スプリントへ。
千切りあい、開始。

しかし、ボクは最初の数回ペダルを回しただけで、左脚脹脛が、これまで感じたことのない痙攣を起こし、引き攣って、動かなくなり、アウト。
Untitled

あんな痙攣ってあるのか…ってぐらい震えたわ…

しかし、レース後、ふつふつとこみ上げてくる「完走したでっ!」の喜びは。
痙攣する左脚の痛みを吹き飛ばすほどでした。
自分にとって事故、怪我、リハビリ、の長かった苦しみを「終えた」という喜びでもあったわけです。
もう以前の自分のように走れる、そう思えてきて嬉しさが止まらなかった。


自分のレースが終わり。
チームメイト、全員が無事にレースを終え、今年も広島が終わりました。
去年は大雨の中のレースだったけど、今年はレース日和でした。
いいコンディションで走れたし、自分がやってきたことを試せて、そしてそれがいい結果を出せたことに大満足してます。

E2じゃ、ボクができることは少ない。
猛者がいっぱいのカテゴリで、ボクのようなオサーンがやれることは限られている。
でもやれることを目一杯やれば、普通以上の達成感は味わえるな。
そう感じられたレースでした、楽しかった。
ボクはまだ強くなれそうだし、自分史上最速をまた目指せそうだ。

応援よろしくお願いします、+まんま-AO・HANI Cycling Teamも26位。
チームメイト一丸となって今シーズンを戦い抜くよ!

0 件のコメント: