2017年1月6日金曜日

年度所感

午前8時から「仕事始め」といわけでして。
人前で話すのが苦手だった内気な人間が「立場が人を創る」とはよく言ったもので。
骨子だけ決めておけばだいたい話せちゃうようになりました。
しかし今朝は骨子も決めずに本番にトライ。

考えながら頭の中でストーリーを組み立てて話しました。
録画とか録音とかされてない(はず)なので後で聞き直すことは出来ませんが。
まあ、うまく話せたんじゃないか?と思ったりしました。

だいたいこんな流れ+言えなかった部分

2016年は地震とかさー選挙とか築地の移転失敗とか。
うちのお客さんの業界はなにかと大変だったと思います。
それでも東北大震災のときのように「日本中が自粛ムード」に陥ることはなく、かつ地方都市で災害だったので業界全体への影響は微少だったように思いました。
海外からの買い物ツアーの売上げ増加も「落ち着き」を見せたように思うし。
10年前のように業界を悩ました「中古販売」という現象も遂に落ち着いた感たっぷりです。
バブル崩壊後、「モノの値段」に敏感になった消費者は限りなく「原価」を追い求める人間が増えました。
とにかく仕入れた商品に利益を乗せると「悪徳商法」のように言われる時代が長く日本では続きました。
なんでやねん、利益乗せずにどうやって喰っていくねん?な狂った経済環境下だったように思います。誰かが「それはおかしい」とはっきり言うべきだったと思います。
それなのにいくつかの狂った大企業が「利益還元祭」とか「金利は当社が負担します!」とか「送料無料」とか「原価追求」のお客の「耳に聞こえが良いウソ」を並び立てる企業が増えてしまい。
「そんなわけあれへん」と思いつつ騙されていくバカなお客も増え続け。
「原価」を追い求める民衆に企業は「詐欺商法」スレスレでさらに拍車をかけて「アホ祭り」を繰り広げてきたのが、最近の5年間でした。

モノの原価は行き着けばすべて「ゼロ円」です。

魚も肉も水も鉄や木だって、、、ずっと辿っていけば「勝手に地球から生まれてくる」モノです。
極論から言えば人間だってそうだし。
モノには価値なんかありません、すべてゼロです。
初競りで7500万円するマグロだって海で生まれて育ったわけで、ゼロ円ですから。
モノには価値なんかありません、騙されないで。
それじゃ価値ってなんやねん?ですが。
価値って「人間が創意工夫したり努力したりした結果に対する評価」=「価値」ですからね。それ以外はぜんぶゼロ円だしウソだし、詐欺です。
どこにでも転がっている木の棒を人間が削ったり磨いたりして仏像にして「価値を生み出す」わけです。
その評価が「傑作だ!100万円!」になったり「駄作だよ!1万円!」になるわけです。
地球上に存在する価値はすべてこの法則で決められていて動いている(はず)です。
そこでもっと真剣にモノを見る目を養わないと「人間はいつまでたってもバカな経済社会に生きる」ことになるんだと思います。
もっと単純に言うと「無駄遣い」しないってことですよ。(笑)
(書いてる自分が一番自信ないっすけどね。)

ボクは製造業で生きています。


ので、ほんとにこのことをよく考えます、頻繁に。
ほぼ毎日かも。
アメリカの新しい大統領のトランプさんは「アメリカを偉大にする」と言うんだけど。
ボクから見ればもう十分偉大だと思うんだけどさらに偉大にするのなら「ゴルフクラブぐらいしか創っていない」と言われるアメリカ国内の製造業を再構築すべきでしょう。
日本だって同じで。
バブル崩壊後、主に中国に製造拠点を移した日本の大企業は今頃になって中国から撤退するのに中国で稼いだ金と同じぐらい損失だしてまで逃げだそうとしてますよね。
まったくもってバカらしいです。
モノを安く作るには中国で製造しないとダメだ!って大企業だけでなく多くの零細企業まで大陸に渡りましたけど。
ボクはちっともそんな気がしませんでした。
だって製造業って油まみれになって手を汚して、かいた汗の「量」が価値なんだから。
その汗の価値を安くしようとはちっとも思わなかった。
自分で工場で働いたことのある人間はぜったいにそんなバカな考えは持たないはずです。
安くしないと売れないような製品を製造することが間違いなんで。
さすがやね、と言ってもらえて買ってもらえる製品を汗水垂らして製造するべきなんですよねえ。
それを認めてもらえないなら買ってもらえなくていいですよ、そんなもん。
そこに価値がないならそういう働き方しか出来てないってことなんで働き方を変えるべきやねんなぁ。
それを間違えて、、「安くつくらなっ!安くっ!」に方向を定めちゃうと製造業なんて「何のための?」って思います、ボクはね。
あんな辛い仕事、自分の「かいた汗の価値を値切られる」なんて「ふざけるな」と怒鳴りたいですわ。

ここ2~3年、状況が徐々に変化してきているように感じています。
まだまだ「安さが絶対」な暴徒もたくさん居ますけど。
そんな中にも「本当のモノの価値の素晴らしさ」を思い出し、ソレに触れる機会が増え、学び、「良い商品を良い価格で選びたい」という新しい購買層が誕生していることに期待しています。

これは大きな社会実験のような気がします。

ピケティの言ったとおり世の中は殆どが貧乏な愚民で構成されています。
その愚民たちの中から「ニュータイプ」が生まれてきつつあるんじゃないかな、と。
1990年代のような「価値をバブルのように膨らませるだけの経済社会の再来」を誰も望んでいないし。
(一部の人間たちは同じ事をやろうとしてますけど、決して乗っちゃいけないよ。)

お金が価値の基準値なのに、そのお金を使ってゲームをして増やそうとする行為を「投資」とかいう名前にしてるんだけど、ぜんぶ「ギャンブル」ですので。
ボク的には宝くじやパチンコと大差ないんですよね、投資って。
ただ銀行預金してても面白くもなんともないので(保管してもらってるだけって感覚)
使う予定のないお金はすべて投資に回してます。
そんなぐらいで良いと思ってます、積極的にギャンブルしたいと思わないし。
そこに大きな価値は生まれてこないと思ってます、常日頃。
究極的には「農林水産業」と「製造業」のみで良いと感じてます。
両方とも地球という母体からタダで貰ってくる物質に創意工夫して価値を生み出し、それが「お金」という尺度で計算されてまた自分に戻ってくる、という単純な仕組みの経済に期待します。
サービス業のヒトには悪いけどね、生きていくのに不可欠な要素ではないので「安ければ安いほどいい」な愚民に覆い潰されるのは「サービス業のヒト」だけにしてください、ってことです。(笑)

選ばれる企業、選ばれる製品づくりを考える。


決してネームバリューやヒット製品だけのことじゃないように思います。
たしかにユニクロ!やiPhone!っていう有名な名前や製品名だと、何もしなくても売れそうだ、と考えますが。
実際には「その状態にもっていくまで」に天文学的なお金を使ってるわけですから。
それぐらい売れて貰わないと困るわ!ってな感じだと思います、経営者側はね。
ソレにあぐらをかいて販売してるのは社員側でして。
いずれ、同じような製品やサービスにシェアを奪われ、リストラされてシャッフルされてしまうわけですよね。
ピケティが言う98%の愚民ってのはいつの時代でも労働者であり消費者でありクレーマーで暴れ倒したり、デモして賃金あげろ!って喚いたりする側なんですよ。
そいつらはシャッフルされて、失業したら消費者になり、消費する金がなくなるとクレーマーになって暴れて、納税時期になるとデモして暴れまくるんですよ。
そして面倒くさいから、どこかの工場に雇われてまた働くんです、これを繰り返して一生を終えるのです。
今のところ、この「連鎖」に終止符は拍たれません。
このくるくるまわる愚民のシャッフルの連鎖が「現在の経済構造」なのですから。
だから回り続けます。
この欧米が作り出した「欧米の富裕層にとっては一番都合の良い経済構造」は残念ながら小泉純一郎政権時代に日本にやってきて、すっかり定着してしまっています。
個人的には当時の小泉さんのブレイン竹中平蔵さんの責任だと思ってます。
竹中さんは「日本もアメリカみたいに大富豪がたくさん出現するようにしたい」と思っていたのでしょう。
しばしば当時の報道でも「大富豪が現れればシャンペンタワーのシャンペンのように、いちばん最上位のシャンペングラスにシャンペンを注ぎ続ければ末端のグラスまでやがて満ちてくる」という思想?だったように覚えています。
色んな規制緩和をやり銀行もがんがんぶっ潰していったのですが。
肝心のシャンペンタワーはシャンペンの量が足りず、末端のグラスには届かず、上位のグラスが満ち足りた頃、進出した外資企業が撤退を始め、シャンペンを飲んだのは欧米人だけだったという笑い話を披露してくれましたね。
あれから30年経過しましたが、また同じようなことをやろうとしている政治家もチラホラ居ますので注意ね。(カジノ法案のこと)
何が言いたいかというと愚民だから20年ぐらい前と同じ方法で詐欺ってもまた騙されるやろ?って思われてるってことですよ。
「そんなアフォとちゃうでっ!」と声を大にして怒らなくちゃいけないと思うんですよね
今度のトランプ大統領時代におそらくアメリカはまた「アメリカに都合のいいルール」の勝負を仕掛けてくる、一見、フェアに見えるルールでも調べてみると「こんなん勝てっこないやん?!」みたいな感じのゲームを仕掛けてくると思ってる。
ちゃんと「断れないように外堀を先に埋めてから」仕掛けてくると思う。
日本政府は必ずその仕掛けに引っかかる。
でも政府が大金を持ってるわけじゃないのです。
獲るのは「国民」からですよ、愚民からです。

愚民といわれる庶民から選ばれる製品ってのは「中古」で「安い」ものでなけりゃダメなんでしょうか?
ボクなら「買っても数分で壊れて粗大ゴミになる」モノは10円だってイヤです。
最近は捨てるのにだってお金がかかりますもの。
製品の善し悪しなんてどうやって知るのでしょう?
テレビコマーシャル?ネットの口コミ?
どれも表と裏が有りますよね?
結局、信じられるのは「自分の目利き」じゃないですか?
良いモノを見抜く選択眼を身につけないとダメってことです。
よく見かける「ブランドモノでないと気が済まない」っていう人達って2種類いると思うんですよ。
まず「お金が有り余っていてブランドものを買うヒト」ともう一つは「自分には選択眼が無いので、お金も無いけど騙されるのがイヤだからブランドもので着飾らないと不安」っていうタイプのヒトに別れると思うんです。
そして後者が98%ですよね。
選ばれる企業になるには「選択眼を持つ消費者」を味方につけることが必須なんですよ。
良いモノを見せてもわからない奴らに何を勧めても無駄です。
口を開けば「もっと安いのないの?」「コレでいいけどコレの中古ないの?」としか応えないですからね。
良いものを創っても選択眼を持たない消費者にしか見て貰えないなら浮かび上がれないと思ってます。それならいっそ消費者なんかに売らなくていいんですよね。
いわゆる商社、仲買人、プロのバイヤーに買って貰えばいいんです、間違いなく彼らの方が「良いモノを知っている」からです。
20年前に流行した「産地直送」的な「中間マージンを排してより安く良いものを!」なんてのは幻想だと思い知りました。
愚民とまともにビジネスなんてしてたら時間と労力だけすり減らすだけです。
ターゲットは彼らではないことに気づかなくてはいけないわけです。
(あくまで零細企業の話です、大企業は好きなようにやってください。)
矢印の方向はB to Bだと思います、もっと言えばプロ対プロという戦いのなかでも残る製品を産み出すこと、産み出し続けることが「キー」なのかと思ってます。

2017年は経済戦争開戦の1年になりそうな気がします。


ありとあらゆる手法や詐欺で日本の愚民からお金を奪っていこうとするでしょう。
いまアメリカもヨーロッパも困ってますからね、中国にやられっぱなしだし。
欧米の過去の行動パターンからみても「金に困ったら日本からもらえ」ってなってますもん。
上手い手法で獲られますよ、きっと。
じっと見張ってないと。
忘れそうになってたんですけど、ひっそりと去年の6月2日の閣議決定で日本の消費税率は2019年10月1日に10%に引き上げられることが決定されてますね。知らんかった。
政府は高齢化社会や少子化対策に使う費用だ!とか言ってますけどね。
欧米の政治家たちは「うっしっし、なんかいっぱい取り立てしとるわー、ちょっとぐらい貰いましょう」って手ぐすね引いて待ってるに違いない。
日本人って「世界のために」とか「今にも殺されそうな子供たちを救うために」とか言われると「へへーそりゃそっちが大事やー」ってなってお金出しますけど、ホンマにその為に日本の税金が使われたという事後報告なんか一度も公開されてへんしなっ!

人間が人間らしく生きるには


そんなに多くの難しいことを覚える必要はないと思ってます。

1本の流木から彫刻刀だけで熊を彫る、そして彫られた熊の置物がその彫り師が生活していけるだけの価格で適正に販売店で売られ、買う人も「おお、すばらしい」と値切ることなく「これの中古ないん?」とか聞かずに対価を支払い、満足して帰宅し、その木彫りの熊を玄関に飾り満足する。

これだけです、普通の経済社会の循環は。
この最初の「1本の流木」が無料です。
地球から頂いた大自然です。
「ものづくり」とはこれだけのことで「製造業」は「ものづくり」する人たちの集合体です。
そんなもんです。
それ以上になろうとも思わないし、それ以下に蔑まれるなら、そんなヒトに買って欲しくないだけです。

以上、おしまい。

こういうことを話そうと思ったら1時間かかるし!(笑)
だいたい半分も聞いてくれないし!😓