2011年5月23日月曜日

フェーズ6

原題が「CARRIERS」。
なぜ邦題「フェーズ6」になったのか?理由わからず。

2009年に「フェーズ6」が宣言されておりました。WHO、パンデミック宣言 新型インフル「フェーズ6」世界保健機関(WHO)は11日、新型の豚インフルエンザの警戒レベルを現行のフェーズ5から、世界的大流行(パンデミック)を意味する最高度のフェーズ6に上げることを宣言した。インフルエンザシーズンを迎えつつある南半球に感染が及んだことが決め手となった。大流行は「香港風邪」以来、41年ぶりとなる。

「キャリア」って日本でも病気に感染したヒトのことを指す言葉として最近は認知されてるんじゃないのかなぁ?
まあ、そういう映画なのです。

人類に蔓延してしまった「死のウイルス」。
致死率100%。(汗)
空気感染するし、もう手が付けられない。
人類はどんどん死んでいく。
そんなストーリーの映画です。
フェーズ6
いやぁ、もう悲惨ですから。
しかし、映画はオープニングからやけに明るい雰囲気で始まったりして拍子抜けするんですが。
主な登場人物は男女2人ずつの合計4人。

フェーズ6 [DVD]
B003U3SK6K

男性2人組は兄弟。
兄貴が激しい性格で弟が内向的、そんなキャラ設定ですね。
映画の紹介には「パンデミック」的なことが書かれていますが、これはパンデミックではナイデスね。
パンデミック後の世界でしょう。
もう多くの人類が死んでいて殺人ウイルスが「当たり前」の世の中なんですから。
兄貴が決めた生き残るためのルール

  1. 感染者との接触は絶対に避ける
  2. 感染者が24時間以内に触れたものは消毒する
  3. 感染は死を意味する
こんだけ。
「3」はルールでもなんでもないような気もするけど。(笑)
まあ、頭の悪そうな兄貴なのでつっこまない。

そんな4人の前に1台のクルマ。
オサーンがひとり。
ガソリンを分けてくれ、と懇願してくる。
じっと様子を見ると…
クルマの中にオサーンの娘が…感染している!!
近づくな!
しかし、ある事情で仕方なくこの親娘を連れて行くことに。
感染者との接触を避けるためクルマ後部をビニール幕で覆い必死で感染しないようにするものの…
兄貴のカノジョが感染してしまう…
兄貴は無情にも親娘もカノジョもクルマから降ろし置き去りにしていく…
目指すは兄弟で遊んだあのビーチへ行くために。

と、そういうストーリーです。

けっこう、興味深い題材なんで期待して観ました。
低予算映画らしく大きな仕掛けとはないんですが、キャラ設定が面白く、「ドラえもん」のジャイアンのような性格の兄貴(ブライアン・クリス・パイン)が良い味出してますね。(笑)
パンデミックとしてはブラインドネスのほうが凄いですのでこの作品では期待しちゃいけないでしょう。
どちらかと言えば「絶対死ぬウイルス」に直面した人類の「リアルな対応」を見せつけられたような思いがします。
数年前に大騒ぎした「新型インフルエンザ」のことを思い出しました。

かっこいいヒーローや、超天才化学者が現れて「ナントカしてくれる」ことがないわけです。(汗)
もう、「救い」がない典型的なパターンで終わっちゃいます…
生き残った「ケイト」に関して、、いっさい謎のまま終わっちゃいます…

後半のエピソードで。
ガソリンが残り少なくなり。
対面からやってきたオバサーン2人が乗ったクルマからガソリンを…というシーンで。
内向的平和主義な弟ダニー(ルー・テイラー・プッチ)が兄貴を説き伏せて「奪うんじゃなくて他の方法で…」と初めて前面に出る。
オバサーンに「すみません、少しで良いのでガソリンをわけてもらえませんか。」と丁重に依頼するも「おことわり!」とオバサーンに断られる。
次に弟ダニーが獲った手法が、同乗していたケイトを妊婦だと言い出産間近なので助けて欲しい、という見え透いた嘘を言う。
オバサーン2人組には見透かされてしまう。
ここで兄貴が登場して拳銃でオバサーン2人組を撃ち殺してガソリンを奪うわけです。
さて、説き伏せることにしくじったダニーは、結局、嘘をついて騙してガソリンを奪おう、としたわけで。
力ずくで奪った兄貴ブライアンと「大差ないやんけ。」とボクは思ったのですが。
弟ダニーは「ボクは兄貴とは違う!」みたいなことを言ってのけます。(笑)
それは殺人ウイルスの蔓延る「異常な世界」では違うのかもしれませんが。
正常な世界なら、詐欺による搾取か、強盗か、の違いで両方とも犯罪なんですけどね!(>_<)
このへんの表現手法が「異常な世界での異常な心理」として面白かった。
ケイトという謎の女性も最後までよくわからない女性で謎めいていたなぁ。

うーん。
どうなんだろう?
突き放したような終わり方は斬新で印象深く残りました。
ですが、もやもや感はさすがに大きいですね。(笑)
ブラインドネスのような無理矢理にでも終わらせる!みたいな感覚はこの監督アレックス・パストールダビ・パストール兄弟には無かったのでしょうか?

あの英国物理学者のスティーブン・ホーキング博士(69)が英紙ガーディアンとのインタビューで、天国や死後の世界は実在しないと明言しましたよね、最近。
ボクもそう思います、思ってます。
人間だけが「死後の世界」が用意されているわけがないですよね。
生きとし生けるもの、全てに用意されているのなら話は別ですが。
人間だけ、都合良く「死んでからも生きられる」わけないです。
「死」は無であり、そうでなけりゃ「生」にも意味が無くなるからです。
この映画作品のように「絶対死のウイルス」なんでものが現れたら。
もう死ぬしかないですね、、、抗っても無理なような気がします。
ただ、そうはいってもブライアンのように、みっともなく生き抜こうとするかもしれません。
それでも死ぬタイミングっては誰にでもある、と思っているわけで。
そのタイミングを逃して生き長らえても虚しさだけが残るんだよなぁってのも解ってはいるつもりなんですけどねー!
そんなことを考えさせてくれた作品でしたー!



0 件のコメント: