2010年4月1日木曜日

髪結いの亭主

済州島での@yongih先輩との晩餐会で話題になって思い出しましたが。
映画「髪結いの亭主」はボクの「FAVORITE MOVIE」ベスト10に入る名作です。
大好きです。
これまでに3度ぐらい観てます。
髪結いの亭主 [DVD]
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マチルドは今でもボクの夢に出るほどの憧れの女性ですね。


12歳の時に「ボク、髪結いの亭主になる!」と言ってオヤジにビンタを食らう少年、それが主人公アントワーヌ。
そして12歳のガキのまま、中年に成長。
見た目はオサーンだけど、中身は少年のまま...つまり「逆コナン」状態。
変なダンスを踊るのが趣味だし...
無邪気なままだ...

そんなアントワーヌは幼き頃の夢を叶える...
ひとりぼっちで理髪店を経営しているマチルドをみつけ、一目惚れ。
あっという間に髪を切りにマチルドの理髪店に入り、軽くプロポーズ...
「結婚してクダサイ。」
はやっ!
相手の名前も知らず、こっちも名乗らないまま、、いきなり結婚か...すげえ、すげえよ!アントワーヌ!オトコだ!
マチルドは無言のまま...
そしてその日は何事もなく過ぎた。

数日後、またマチルドのお店に髪を切りに来たアントワーヌ。
帰り際にマチルドからこう言われる...
「この間は私をからかったの?もし本気だとしたら、心を動かされました。あなたのお気持ちが同じなら承諾します。妻になります。」
ぬぉぉ!言ってみるもんやなっ!何事もポジティブでないとアカンなぁ、と思い知らされる瞬間である。...

マチルドは過去のないオンナ。
「無い」というのは「必要ない」わけで、彼女は「貴方を愛したときから、以前のわたしは必要がない」という感じだ。
作品中でもマチルドの過去には一切触れられていない。
アントワーヌはガキの頃からエロいヤツって感じで描かれていて。
過去に引きずられてるわけなんだけど、それと対照的に描かれていますね。
二人の結婚式のシーンでも、変な踊りを踊ってみせるアントワーヌ。
まるで子供だ。
それを嬉しそうに見るマチルダ。
瞳の奥は何かを秘めているよう...

この映画はすごく深い情念のような愛を描いているんだと思います。
ラストシーンは圧巻で。
「なんでそんなことするの!!」って大声を出しそうになります。

観終えてから、じっくりと考えます。
見えてくるのは、、マチルダのとてつもなく深い愛情。(情念?)
「天井にヒビが...」の台詞もキーワード。
マチルドはアントワーヌとの情事の最中にふと気づいてしまう。
「アントワーヌは自分に飽きた...」と。
マチルドは常に言っていた「貴方との恋が終わるときは、私がいなくなるとき。」と。
天井にヒビが入るように、12歳の心を持つ逆コナンのアントワーヌは、もう私に興味を失いかけている...
マチルドはアントワーヌとの愛を永遠にするために、考えてとった行動だったのだ。
彼女の唐突で突拍子もない行動はじつはアントワーヌの記憶に永遠に自分を刻みつける行為だった。
映画のラストシーンはそれを物語っている...
マチルドの思惑通りアントワーヌは「永遠の愛」を刻みつけられ、愛の虜、奴隷になり、現世を彷徨う。

っていう風に解釈して観た!どう?どう感じた?!

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