2009年6月7日日曜日

第2回ツール・ド・宮古島

思えば...
ボクがガキの頃ってまだファミコンとかなくて。
ガキどもが集まると、近所の公園や、神社に行って遊ぶわけです。
んで、公園のブランコとか2つしかないんで。
集まったガキどもは自慢の愛車(自転車)に跨り、「んじゃいつものように公園まで競争な。」と、速く着いたガキがブランコに最初に乗れる、というわけです。
そう、僕らは「ジャンケン」で決めることは少なかった。
いつも自転車で目的地まで走る、「速い者勝ち」方式だ。
小学校も高学年になると。
変速機付きのミヤタの自転車に乗る奴らが増え。
競争する距離もどんどん長くなり。
いつの間にか「あの川の上流まで行ってみようや。」とかとんでもない距離を走るようになった。

そして、あれから30年が過ぎて。

ついに...
ガキはチューネンになり。
競争するのに、飛行機を乗り継いで、宮古島までやってきたっ!
SANY1979

第2回 ツール・ド・宮古島」だっ!
朝、4時に起き。
身体の調子を調べる。
肩は痛くない、脚もどうやら大丈夫のようだ。
やはり鍼とマッサージは効き目大だ。

暑くなりそうなのでボトル2本を用意。
補給所でボトルをもらえることは知ってたんだけど。
「ある理由」からできるだけ補給所は使わずに走りたかったので2本持って行く。

6時40分ぐらいにスタート会場に到着。
160kmコースの選手は既に出走地点に並んでいてCheckを受けていた。
ボクは100kmコースなので後からのスタート。
トイレに行ってゼッケンの位置が気になったので張り直しして、いそいそとスタート地点で並んだ。
宮古島市長の挨拶があったあと、7時ちょうどに160kmがスタート。
100kmコースは10分後にスタート。
心拍計を見てたら90ぐらいだったので、あんまり緊張してなかったな。
ただ、やはり通行止めにされてやる公道でのロードレース、先導は白バイ!☆
かっちょいい。
SANY1977
アマチュアが参戦できるロードレースで通行止めしてくれるレースは数少ない。
これに出るのが夢だった。
もう感動した。
白バイに先導され、スタートしてから8km程度は「パレード走行」とされ、先導車を追い抜いてはダメで、時速25km程度(もっと遅かった)で走り続けます。
そして、クラクションの大音響とともに先導車が外れてレース開始!!
「きたきたきたーー!!」
脚にパワーが!
と思いきや、、、先頭集団内でいきなり落車。
ぎゃーーーっ!ボクの目の前で2台がクラッシュ!
自転車同士が絡み合って道路の真ん中で転がってる!
(ぬ、ぬおおおー死ぬ死ぬ死ぬーー)
必死の回避だだだだっ!
大声が飛び交う、、、「落車、落車!!!」

なんとか交わし、必死で集団を追うボク。
ラッキーだったことに先頭集団は、ここでは逃げを見せず、落車で驚いたのか?それほどの速度ではなかった。
やっと集団に追いつき、集団の数が多くなり大集団(プロトン)を形成。
およそ80台?ぐらいにまで膨れあがった。
集団内はピリピリしてる、あちこちで声が出る。
「ふらふら走るな!」
「ライン守れよ!」
ハイスピードに着いていこうと無理をするとフラフラした走りになったり、ちょっとした登りでふらついたりすると、ものすごい罵声が飛ぶ。
無理もない、そもそも着いていけない脚力が無理にプロトンにいると、落車リスクが高い、それにより他の落車を起こす。
だから罵声で後方へ追いやるわけだ。
「くるな!」ってこと。
ボクも必死に耐えた。
しかし、、、それにしてもペースが速い。
なんじゃ?この速度?
Edge705を見ると軽く時速45kmを越えている。
「あっかーーんっ!」(宮川大輔口調)
こんなもん速すぎる、絶対、後半走れない。
(このままこのプロトンにいたら死んでしまうっ!)
そう思ったボクは後方の第2集団に入ろうと、プロトンの後方へ下がっていった。
後ろの方まで来て、後ろを振り返ってみた。
(誰もおらん...)
そう100kmコースは200人ぐらい走ってたんだけど。
集団走行してたのは、先頭大集団だけで。
他はもう「ちぎれまくって」たのです。(T_T)
(あっかーーん。死にものぐるいでこのプロトン内で生きていかねばならぬのかっ!)
覚悟を決めた。
(いけるとこまでいくしかない)
こうしてボクは先頭集団で戦う覚悟で走り続けた。
先頭はたぶん7~8人がローテーションしてるうようで。
その後ろは50人ぐらいがプロトンを形成して、位置取りが熾烈。
頻繁にかけ声がかかり。
ちょっとでも油断すると!!!
「落車っ!」
左折するところでボクの左隣の選手が、落車。
(ぬ、ぬおーこわいー)
頭から道路に突っ込んでるっ!ひいぃぃぃいぃーーーっ
それからあとも頻繁に隣のライダーと接触。
だいたい隣と15センチぐらいしか間隔がない!
(ぬおおおおーこわいー)
そう思っていると目の前の選手の動きがおかしい。
どうやら、もう「ばてて」るみたいだ。
必死でちぎれまいとペダルを踏むんだけど、もうダメ寸前。
すると、バイクが左右にフラフラ。
ラインがキープできない。
(やばい、こいつ、、、あかんぞ!)
そう思ってるとあっという間に前方から下がってきて、ボクの前輪とそいつの後輪が接触!!
タイヤのゴムが激しく擦れあいゴムの溶ける匂いがっ!!
周囲のライダーがボクの前の選手のゼッケン番号を連呼!!
「おい!!○○番!危ないから下がれ!」
叫ばれてもそいつは下がらない。
いや、もう意識朦朧で下がれない、ただ歯を食いしばって走ってるだけで、ほぼ意識が薄れている。
(あ、、、、あっかーーーん!こいつもう逝ってるやんけー)
周囲のライダーも気がついていて、いっせいにその「逝ったライダー」を遠巻きにして回避。
見る見る、遅れだし、そいつは後方へ消えていった...

60km過ぎぐらいで、先頭集団から一人、飛び出したっ!
「逃げ」ってやつです。
ボクは初めて見たので(おおおおっ!かっちょいい!!)
と思ったのですが、他のライダーはちょっと笑いながら「まだ早いわ。」と呟いてる。
(そうか、まだ逃げには早いのね。)
呟きのとおり、この逃げはあっという間に潰されて、また集団に。
このあとは何度も「ちぎり愛」が始まり。
登りで逃げが出たり、急カーブで速度を落とさなくちゃいけない箇所の次に「ちぎり愛」。
何度も何度も「逃げ」が出たんだけど、すぐ吸収。
ボクも先頭集団の中でコントロールされつつ、見たこともない速度で走り続ける。
巡航速度は時速40km前後。
「いつでも死ねます」な速度だ。(笑)

ここでさらなる危険が。
補給地点だ。
60kmぐらいになるともうみんな水がない。
補給地点でボトルを差し出してくれるわけです。
それを走りながらキャッチして、空になったボトルを放り投げる、っていう作業をやるわけです。
これはテレビでプロロードレースを見たことある人なら「やってみたい」と思ってるでしょう。
しかし、空ボトルをぽーんと捨てるのも、満タンのボトルを受け取るのも、、実は「めちゃ難しい」んです。
これはボクは昨晩、他の人のブログで読んで理解してたので、補給地点でボトルを受け取らずに、、安全に離れて事故を防いだわけです。
案の定、補給地点は悲惨。
ボトルを受け取れない、つかみ損ねたボトルが路上に散乱してそれを踏みそうになる。
空のボトルを捨てようと投げたのに、道路の真ん中に転がってしまう。
もう「いつでも落車」です。(笑)
ボクは補給所とは逆のライン、、遠く離れたところを走り、少しでも危険を回避。
これは良い作戦でした。
ボトルが取れずに結局、停止して受け取るライダーが続出。
これはかなりのタイムロス。
ボクは最初から2本持って来てたのでこの2本で走り抜く!

このおかげでずっと先頭集団内で走り続けるボク。
しかし、、、
周囲のライダーの緊迫感が尋常じゃない。
そう、「ちぎり愛」のポイントが近づいてきたのであった。
ボクも昨日のテスト走行で知ってたんだけど「たぶん、ここで仕掛けるんやろなー」って思ってたポイント「風力発電所」のある地点...
SANY2019
ここからがアップダウンが何度も続くきついコース。
ここで先頭集団は一気に加速してくれた。(T_T)
ボクの脚はもう完全に終わっていた。
ここまで40kmアベレージで駆け抜けてきたのだ、無理もない。
そう、ゴール手前10km地点でボクはプロトンから「千切られた」。
張り詰めていたモノも「切れる」瞬間です。
見る見るプロトンは前方へ。
(ああ、もうダメだ、ここまで。)
と思ったとき。
千切られた数人の中で一人「まだまだ!」と言うヒトがいた。
千切られた数人で小集団を形成し、ローテーションで再度プロトンに追いつこう!と言うのだ。
ボクは「もう10kmしかないですよ、無理なんじゃないですか?」と言ったんだけど。
「いや、まだいける、いくしかない。」とその人は言う。
それじゃ、まあ、やれるだけやってみますか、ってことで、数人でローテーション開始。
しかし!
その言い出しっぺのヒトが補給地点でボトルの受け取りに失敗。(笑)
ローテーションから離脱してしまった、残念。
ここで、最後の望みの小集団も散り散りに。
でも、ボクはアップダウンが終わって平坦になってからは、再度、死に物狂いで踏んだ。
単独走行なので40kmは無理だけど35km程度で踏んだ。
前方から千切られて落ちてくる選手を何人か抜いた。
踏んだ。
脚が千切れるぐらい踏んだ。

ゴール!

タイムは?
自分のEdge705は?
ぬおっ!
ツール・ド・宮古島100kmコース at EveryTrail

Map created by EveryTrail: Travel Community

2時間51分!
す、すごい!プロトン様々だ!(笑)
平均速度35km
平均心拍数154bpm
平均ケイデンス73回転

3度、落車に遭遇しました。
そのたびに「もうアカン!」と思いました。
落車するしないは運だけかもしれません...
でも「やばそうなヤツ」の近くに行かない、だけでかなり回避できそうです。

100kmものロードレースは初体験でした。
これまで鈴鹿サーキットでのロードレースしか知りませんでした。
公道でのレースはこれが初めて。
通行止めで走るレースはもう大興奮です。
信号もぜんぶ無視していいんですし。(笑)
沿道で住民の方々からの声援...
どれも素晴らしく良い体験でした。
当初、走りきれるか?足切りされるんとちゃうか?と弱音を吐きまくっていましたが。
最後に千切れるまでは、プロトンで走り続けることができ、一瞬だけど5番目ぐらいまで前に出ました。(ちょっとびびった。(笑))
楽しかった、こんなに興奮したのは初めてかも。
やっぱりロードバイクに乗ったら「ロードレース」ですね、かなり理解したっ!
病みつきになりそうです。

でも、160kmは「アカン」(笑)
ゴールしてからひたすら感じたのが「100kmにしといて良かった。」ですもの。(汗)

順位は見てません、後日発表ね。
疲れて、フラフラでホテルに戻って、さっきまで鍼治療と電気マッサージやってました。

追記:
地元琉球新聞とやらに結果発表(上位入賞者のみ)が出てたそうです。
2009y06m09d_142125506.jpg
100kmの優勝者は2時間47分。
4分差か。(T_T)
3kmぐらい離されたってことね。(恥)
埋めがたい差だな。
でも、最後まで集団でもつれ合ってゴールっぽいね。


追記:
ブログ「きょろきょろ宮古島」さんがゴールの瞬間を写真に収めてくれてました、感謝です。
恥ずかしいので小さく表示。(^g^)
ゴールの瞬間


追記:
ブログ「輝ける黄昏を目指して」さんに「第2回ツール・ド・宮古島 リザルト」が掲載されていました。
地元、新聞「宮古毎日新聞」に全員の名前と順位と結果が掲載されてたんですね。
ぜんぜん新聞なんか見ずに帰ってきたので...(恥)
とりあえず、こっちには50位まで掲載します。
他はブログ「輝ける黄昏を目指して」さんを見てくださいね。
miyakojimaresult.jpg.jpg
いやぁ、、
何がって、、、この新聞記事、記念に欲しいなぁって。(笑)
「悪いことをした」以外の手法でボクの名前が新聞に掲載されることなんて...
感無量ですなぁ。(T_T)
アスリートやってきて良かったなぁ。(笑)

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